5S活動のきっかけ
2年前に社員旅行で関西に行った時に、5Sを推進されている工場、企業様の見学をさせていただきました。
そのときの衝撃を社員全員が感じ、「粉塵が舞いやすい鉄工所だから、という甘えを捨てて、こんなきれいな工場を目指そう」と一致団結したのがきっかけです。
5Sとは?
「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の頭文字が5つで「5S」と呼びます。単純に暇なときやまとまった時間がとれたときに掃除をすればいいというのは、また繰り返してしまいます。5Sはそれぞれに仕組みをつくり、元にもどらないようにするための活動です。
5Sによる効果
町の鉄工所が5Sに取り組むことで一番効果のあったことは職人の意識の変化でした。例えば床を明るい色で塗装することで、汚れが目立ち、毎日10分間清掃の仕組みができるようになりました。
今では各自が気づいたときに環境改善提案書を提出し、2周間に1回の5S委員会にて協議して改善活動に活かしています。
5Sの直接的目的
品質の向上
安全の確保
原価の低減
企業イメージの向上
効率の向上
5Sが組織にもたらす効果
良好な
チームワークづくり
リーダーシップの
養成
社員の
自主性の向上
組織の
活性化
5Sの具体策
整理
最初に工場内の工程の観察を実施し 整理の対象となる設備などを抽出し、整理するための判断基準を設定しルール化しました。そのルールを規格体系の中で位置づけし効力を定義付けしました。
その後、規格体系の中で管理の仕組みについて話し合い廃棄の基準作成を制度化していきました。
整頓
工程のパトロールによる問題点の調査時に、工程写真の撮影を使い分析しました。工程写真にコメントを書いてもらい、写真に対する気づきのコメントを抽出。コメントに対するアクションプランを作成していきました。また、作業場と通路を決め、動線を短縮化しました。
清掃
工程のパトロールによる問題点の調査・写真の撮影し、写真に対する気づきのコメントを抽出しました。コメントに対する行動計画の作成後、清掃箇所や通路の認識をし、床面の塗り替えなどの対策の実施をしていきました。
清潔
元に戻さないように歯止めとしての定期的な工程パトロールの実施をしています。その際、工程パトロールのチェックシートの作成をしましたが、チェックポイントの選定とチェック項目などを定期的にメンテナンスしています。
躾(習慣)
2週間に1回の「5S委員会」を実施し、各社員から集まった「環境改善提案書」のアクションプランの策定をしています。その他、管理倉庫の運用ルール作成と公知化や、掲示板を作成したり各機械の管理責任者の明記見える化の実施をしたり、常に5Sを意識しています。
事例紹介
床塗装床を塗装することで、汚れが目立ち、清掃習慣がつきました | 定位置管理探す時間を減らすために、置き場所を決めました。 | 工場レイアウトの作成作業場と通路を決める際に、まずは計画図面を作りました。現在では3D空間スキャナーを活用したレイアウト図作成をしています。 |
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私たちの取り組み
歯止めとしての工程パトロールの実施
5S委員会の活動のひとつとして、工程パトロールを実施しています。これにより、普段は気づかない不用品の存在に気づき、生産性向上の妨げになっている実態を分析します。
毎朝の10分清掃
毎朝行われる朝礼を実施したあと、全員で計画通り場所を決めて床磨きをしています。心を磨くことにつながり、普段から何気ない違和感に気づくことができる「気づき力」の強化に繋がっています。
5S委員会の実施(2週間に1度)
これまで当社では会議というものをしてきませんでした。1度会議をしても、次回は社長が号令をかけなければ実施できなかったのですが、この2週間に1度の5S委員会の定期的な実施により、ほかの経営会議や営業会議、工程会議も定期的に行えるようになりました。会議の際にはレジュメを作成し、議事録も残せる体制になりました。
目標は、北陸No.1の5S実践鉄工所に
われわれ溶接加工を伴う工場において、5S活動をやり続けていくことは至難の技だと感じています。
それでもこれまでやり続けてきたことで、工場見学に来ていただいたお客様から「鉄工所だと思えない」「数年前に来たときと空気の匂いが違う」とお褒めのお言葉をいただくようになりました。
従業員の健康にも留意した5S活動ですが、まだまだ道半ば。これからも、やり続け、北陸No.1の5S鉄工所を目指していきます。